先日、実家から持ち帰ったカセット・テープ
の中から幻のブルーグラス・バンド、ブレイ・
ブラザーズ・ウイズ・レッド・クレイヴェンス
を聴きました。
1960年代に南部ではなく、中部の比較的
都会であるイリノイ州シャンペイン-アーバナ
出身のネイト、フランシス、ハーレーのブレイ・
ブラザーズに、ギターのレッド・クレイヴェンス
の創り出した独特のブルーグラス・サウンド
に改めて驚きます。
特に彼らのコーラスが特徴的で、既存の
ブルーグラス・バンドのようにパワフルにならず、
パワーダウンしたフォーク調とも言えるハー
モニーで独特のアンサンブルを醸し出しました。
リード・ヴォーカルとマンドリンのネイト・ブレイ
のマンドリン・テクニックは、御大、ビル・モンロー
が認めたほどの達人でしたが、残念ながらホジ
キン病によって亡くなります。
ネイトの死を受けて、1970年代に"419 W. Main"
と、数年後、ラジオ・ライヴを収録した"Prairie
Bluegrass"がリリースされました。
(現在でもCDで入手可能)
音楽的に優秀だったにもかかわらず、世間
から認められることがなかった幻のブルーグラス・
バンド、最近のブルーグラスにはない「間」が
彼らの録音の中にいっぱい詰まっています。