若手バンジョー奏者、ノーム・ピケルニーが現在の
トップ・ブルーグラス・ピッカーズと共に、'70年代に
名フィドラー、ケニー・ベイカーがリリースしたビル・
モンローのインスト集、"Kenny Baker Plays Bill
Monroe"をカヴァーしたアルバム、"Noam Pikelny
Plays Kenny Baker Plays Bill Monroe"を
入手しました。
選曲、曲順もそのままに、しかし、単なるコピーでは
なく、彼らの解釈、表現で敬意を持って先人たちに
挑戦した興味深いアルバムです。
アルバム、"Kenny Baker Plays Bill Monroe"
では、ケニー・ベイカーがジョー・スチュアートの
強烈なリズム・ギター、ヴィック・ジョーダンとボブ・
ブラックの華麗なバンジョー、ブルーグラス・ボーイ、
ランディー・デイヴィスのベース、スペシャル・ゲスト
の御大、ビル・モンローのマンドリンと共に完璧な
ブルーグラス・フィドルを聞かせます。
そして、新譜、"Noam Pikelny Plays Kenny
Baker Plays Bill Monroe"では、主役、ノーム・
ピケルニーの自由自在のメロディック・バンジョーに、
フィドルの最高峰、スチュアート・ダンカン、ブルー
グラスの申し子、ロニー・マッコーリー、スーパー・
ギタリストのブライアン・サットン、そして、ソリッド
なベースを披露するマイク・バブが絡みます。
こうして二枚のアルバムを聴き比べると、改めて
ケニー・ベイカーの素晴らしさと、ビル・モンロー
の偉大さが浮き彫りになりました。
音の数やテクニックだけではない、息や勢いの
大切さを感じます。
とても勉強になる二枚のアルバムです。